● 弟の夫

こんにちは。
週末は寒かったですね。朝7時前に日曜市に行く際、車のフロントガラスがバキバキに凍っていて驚きました。

 

皆さんは「弟の夫」をご存知でしょうか?
NHK BSプレミアムの「プレミアムドラマ」枠で2018年3月に放映されたそうです(文中に配信サービスのアドレスを掲載しています)。

 

多様性と心の中に隠れているかもしれない偏見に気づくことができる、1人でも多くの方に見ていただきたい本当に素晴らしいドラマでした!!

 

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原作は自身もゲイである田亀源五郎氏作のマンガで、小学生も読める作品として描いたとのこと。

主人公・弥一の双子の弟・涼二は単身カナダに渡り結婚し、その後病気により若くして亡くなりました。

 

 

弥一と小学生の一人娘・夏菜が二人で暮らす家に、ある日はるばるカナダから弟の夫・マイクが訪ねてきます。

子供の時弟からゲイであるとカミングアウトをされその事実を受け止めきれなかった弥一は、ゲイであるマイクに初めは不快感を持っていました。

しかし夏菜は素直な心を持ち何の偏見もなく、優しく大きな身体のマイクが大好きになります。

 

 

夏菜の友人、そのお母さん、担任の先生… たくさんの周りの人々のゲイに対するさまざまな思いが交錯します。

弥一はそれらに接しつつマイクの穏やかで思いやりあふれる人柄により、頑なな心が少しずつ変化して行きます。

 

 

ドラマでは主人公・弥一と双子の弟・涼二を佐藤隆太が、涼二の夫マイクを元大関の把瑠都が演じています。

原作の表紙を見てもマイクは把瑠都以外に考えられないほどぴったりで、また原作者がドラマ化の話も全くない頃からもしドラマ化するなら主人公は佐藤隆太さんがいいと思っていたらしく、配役を聞いた時に驚いたそうです。

 

 

作者が「ただ色々な人がいることを分かって欲しい」「特にゲイに対してポジティブな気持ちを持って欲しいと思っているわけではない」 とインタビューに答えているように、押し付けがましさが無く穏やかで自然な流れにどんどんと引き込まれました。

マイクに話を聞いて欲しいとやっとの思いで来た、自分がゲイであることに悩む中学生。
彼のように身の回りでもカミングアウトができずにつらく悲しい気持ちで日々を過ごしている方が、きっとたくさん居るのではないでしょうか…

 

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すべての登場人物がみずみずしく描かれ、まるで自分のすぐ近くで起こっている事のように感じられ、
「家族の形とは?」「普通とは? 当たり前とは?」と深く考えさせられる作品でした。

わたしはLGBTに対して偏見を持っていないつもりでしたが、弥一の夢の中で夏菜ちゃんが女性を連れてきて「私たち結婚します」と報告するシーンでは、自分の娘が女性と結婚をすると言ったらどう感じるのだろうと自問自答しました。
たぶん最初はとても戸惑うだろうけど、彼女が幸せなら祝福をしようと思えました。

 

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わたしは当初一卵性だとすれば弟だけゲイという設定に納得がいかず、またエストニア出身把瑠都の英語がカナダ人という設定なのにまるで日本人の話す英語のようで、なかなかドラマに入っていけませんでした(変なことにこだわるタイプですみません…)

しかしすごく似ている兄弟もいるし二卵性だけどそっくりな双子なんだ、カナダも公用語が英語でなくフランス語の州があるからきっとケベック州出身なんだ.. と思うことにしました(笑)

登録が必要ですが1ヵ月間無料でドラマが見られるサイトがありますので、是非この素晴らしい感動のドラマを1人でも多くの方に見ていただければとても嬉しく思います。

U-NEXT

これを見て思い出したのが、2013年ニュージーランドの議会で同性婚を認める法案が賛成77、反対44で可決された際の、議員モーリス・ウィリアムソン氏による世界中が感動したスピーチです。

 

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…反対なさる多くの方は常識的な方なんです。
この法案が社会に何をもたらすのか、真剣に心配なさっている。
その懸念に敬意を表します。
この法案が通るとご自身の家族に何が起こるか心配なさっているのです。

だからその方々のために繰り返させてください。
この法案で我々がやろうとしていることは、愛し合う二人に結婚という手段を認める。それだけです。これが全てです。

核戦争をやろうって話じゃないんです。農作物を全滅させるウイルスもばら撒きません。
ただ、愛し合う二人に結婚と言う手段を認めるだけです。何か問題があるでしょうか? お金もかからないのに。

なぜこの法案に反対されるのかがわかりません。
異質なものを遠ざけたいのは分かります。いいんです。我々は皆そんなものです。でも、なぜ反対する人がいるのかわかりません。

でもこの法案に反対する方にお約束します。決して反故にしない約束です。
この法案が成立しても明日も太陽は昇ります。明日からもティーンエイジャーの生意気な娘さんに口答えされます。ローンの金利はあがりません。皮膚病やら湿疹、布団の中からカエルが飛び出すこともありません。

明日からもただ毎日が続くんです。
だから、この法案で大騒ぎするのは止めましょう。

この法案は当事者からすれば素晴らしいものです。残りの我々からすれば昨日と同じ日々が続くだけです。

それでも法案を懸念される方々へ聖書から引用を。
旧聖書 申命記 1章29節 「おそるるなかれ」

同性婚を認める法案の賞賛されたスピーチ 1

 

これを見て別姓についても少し考えさせられました。
先進国で夫婦別姓が認められていないのは日本だけだそうです。

以前テレビでの一般の方の意見を聞いたインタビューでは、反対をする人は「別姓だと家族とは分かりにくい」とか、「結婚をすれば好きな男性の苗字を名乗ることが当然である」という凝り固まった考えのものでした。

「男性と女性が結婚することがあたりまえだ」という、同性婚に対する否定的な考えと同じですね。

同姓を名乗りたい方はそうすればいいと思いますし、そうしたくないあるいはそうすることによって不自由な方は別姓にできるという選択肢を持てるようになる方がより良い状況ではないでしょうか。

 

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多様な価値観を持つ人々がいることを理解し、お互いに思いやりを持てる社会に1日も早くなることを心から願ってやみません。

 

どうぞ明日もすばらしい1日を

 


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    ● 弟の夫” に対して1件のコメントがあります。

    1. post より:

      Thanks for the wonderful post

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