● 自分にとって難しいポーズの練習を続けることで、それは宝物になる
こんにちは。病気になる前に、心も身体も軽く思い通りに動くことが大きな幸せであるであることに気づいていただければ…と願う充恵です。
他の人は簡単にできても、自分にとって難しいというポーズがあります。
柔軟性・筋力・集中力・後天的な怪我等、また練習ではどうしようもない プロポーション(胴に対する腕・脚の比率)・先天的な関節の可動域…
難しいあるいはできないことには様々な要因があると思います。
例えばわたしの太ももの前側(大腿四頭筋)は、小さい頃繰り返し受けた筋肉注射により大腿四頭筋拘縮症(注1)となり、あまり運動をしていないほとんどの女性にとってはとても簡単な、正座またはヴィラーサナから上体を後ろの床に倒す といったことができません。
最初の頃は師Stymieも、わたしがクロスバイクに乗っていたため筋肉が硬く伸びないのだろうと思っていたのですが、古傷の半月板を再度痛めた時整形外科で指摘され、初めて知りました。
(注1 大腿四頭筋拘縮症とは太腿の前の部分にある、太腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋の4つの筋肉が硬くなって本来の機能が異常となって種々の症状を出現する病気です。
また、乳幼児期に太腿に抗菌薬や解熱剤を筋肉注射したことが原因でこの病気になったとして問題となった病気でもあり、まれに先天性の場合もあります。*Doctors me https://doctors-me.com/doctor/child/161)
この大腿四頭筋拘縮症に関しては各地で訴訟も起きているのですが、わたしは歩行も正座も日常生活には全く問題ないし、他の患者さんたちに比べればかなり軽症といえるようです。
しかし練習を重ねても、上記のポーズや、橋のポーズ・セツバンダーサナやビッグブリッジポーズ・ダニュラーサナ、前腕の逆転ピンチャマユラーサナからの身体を反らしスコーピオンになる等の太腿の前側を伸ばすことが必要なポーズは、美しくできるようにはならないでしょう。
こういった原因とは違うのですが、わたしは仰向けにマットの上に寝て膝を立てた状態から、手を使わずに起き上がることができません。
腹筋は弱くはないし、今話題の前腕プランクダイエット30日後の最終目標値である5分も余裕でクリアできます。身体の左右の部位別に筋肉量・脂肪量他多項目を細かく量れる体組成計でも、コアの筋肉は「多い」というレベルで表示されます。
どうしてだろうと考えてみたとき、ベッドの上やビーチで下が柔らかい状態だと起き上がれることに気づきました。ビーチに敷いたゴザをはぐってみると、ウエストよりも下の位置あたりの砂がくぼんでいるのです。
つまり腰が丸まらないため、硬い床の上では起き上がることができなかったのです。マット上でも大きなタオルを折り畳み分厚くして腰の下部に敷くと起き上がれることがわかりました。
もしわたしが簡単にできていれば、できない人に対し「ただ腹筋が足りない」としか思わなかったことでしょう。
このようにできないことは、洞察を深めてくれるメリットが大変大きいと思います。
7月にyoga worksで受けた、プロップスを使ってティーチングスキルアップのワークショップのドミニカ先生は、ご自身でもおっしゃっているように腕と脚の胴に対するプロポーションが平均的な日本人と同じくらいかそれよりもやや短いくらいで、
「腕と脚の骨は練習で長くならないから、足りない骨の長さを補うためにブロック!」
と手足が長い先生がふれないところにも、手足が短い人のための視点がしっかりと活かされた、とてもためになるワークショップでした。
えー 例えが適切ではないかもしれませんが、わたしは足の小指が薬指にかかり(フックした状態)何度もグーパーしてもしっかりキープできます(笑)
もし「それどうやったらできるようになる?」と聞かれても(いや、そんな物好きな人は居ないことは分かってますけど…)教えることができません。
なぜなら、練習に練習を重ねて、ああでもないこうでもない、次はあんな風にしてみよう といった努力を全くしていないからです。やってみたら簡単にできた。ただ単に生まれつき小指の骨が長く、たぶん小指の腹の凹凸と薬指の背の部分とが絶妙にフィットするのでしょう。
簡単にできることは、本やトレーニングから学んだ一般的な知識として教えることができても、実体験としての自分独自のコツなど、説得力がありできない人にとって分かりやすい教え方をすることはできません。
つまり、難しくて努力と試行錯誤と年月を重ねやっとものにできたポーズは、いろいろな視点から、そして多くの人に分かりやすいように教えることができます。この生徒さんは、自分が辿ってきた道の今どこら辺に居るのか、その時に一番適切な練習とアドバイスは何か。
簡単にさらっとできてしまうと、残念ながらそれらを得ることはできないのです。
しかし困難なポーズが自分のものになるまでの間は、葛藤があります。身体的な制限(生まれつきのプロポーションや関節の可動域)のため、いくら練習を重ねてもできないポーズもあります。
わたしの師Stymieが以前教えてくれた言葉があります。「今日のところは、これでいい。」と現状に満足し、明日はまた目標に向け努力すること。
(師Stymie)
ヨガは人生と同じように、今に満足すること(知足)という陰の視点と、目標を掲げそれに向け努力をし続けるという陽の視点のバランスが大切だと思います。
目標も無く努力もせずにいると自分に満足できないし、いつもダメ出しばかりしていては頑張っている自分がかわいそうです。
自分を認めて、「今日は、これでいいのだ。」
2か月前から、Gymと水泳にはまって、週4-5のペースで通っています。Pumpレッスンで仰向けにマットの上に寝て膝を立てた状態から、手を使わずに起き上がることができない私。。。。。腹筋は少しついてきたのに。。。。できない。。。 もう 目からうろこでした! 早速、腰の下部に分厚くタオルを置いたらできました! この発見に感動してしまい、コメント送らせて頂いてます。 今のもっぱらの目標はブリッジ、、、、、でも腰が硬いとかの問題でないような? 手がマットに突き刺さる。。。。これって やはりできないポーズなのかとちょっと悲しんでおります。 でも、努力はし続けます! 今、家からは素敵な、ビーチが見えてます こっちは夏です! ニュージーランド南島より
Ayumiさん はじめまして。
コメントをいただきありがとうございます! 気づくのが遅くなり本当に申し訳ありません。
ニュージーランドでこの記事を読んでいただいたと知り、大変嬉しく思います。
ニュージーランド出身で高知に長く住んでいらした生徒さんが去年ニュージーランドに帰国され、彼女もお元気かな…と関係ないことも思い出してしまいました。
腰の下にタオルを厚くして置くと起き上がれたのですね! お役に立てたのなら良かったです。この記事を書いた甲斐がありました。
夏の海の見えるAyumiさんの素敵な生活を想像して、うっとりしました。
明日もどうぞ素晴らしい一日を☆彡